このサイトについて

ご挨拶

村松 真澄(むらまつ ますみ)
札幌市立大学 看護学部看護学科 准教授

2020年春、新型コロナウイルス感染症 (COVID-19)が、私たちの生活の仕方を変更させるかもしれない状態になっている中でこれまで取り組んできた科研費による研究活動についてまとめてサイトを作ろうと考えました。なぜなら、今までは研究成果を研修会や講演会などで知らせることができたのですが、COVID-19により、それがかなわない状況が続きそうです。

私は、看護学校の時に「口腔の健康と全身の健康とは関係がある」と教授されました。看護師として病院の勤務をする中で口腔に問題がある患者さんが治療中に困難を抱えることが多いと感じて口腔看護に取り組んできました。その中で実践家として、また研究者として患者さんから学んだことを臨床疑問として研究し、言語化してきました。

20年前は、がん患者の口腔ケアについては模索中でした。北大病院勤務の私たちが実施している口腔ケアを地域の病院では実施されていない状況を親族のがん治療を通して知ることができました。

欧米に行く機会を得て、口腔ケアに関する視察を行い、がん患者の口腔ケアについて知りました。また、Oral Assessment Guide(以下OAG)を作成したEilers氏に直接会ってOAGの使用方法を教授いただき、日本での使用許諾をいただきました。それが日本版OAGです。欧米では、患者がOAGを使ってセルフチェックをし、専門職と自分の口腔内の状態を共有するのですが、日本では、まず、専門職が患者の口腔内の状態を共有し、スクリーニングシートとして使えるようにしました。基礎看護の教科書等で紹介していただいております。

現在は、手術治療前に歯科に行って歯科治療をし、口腔ケアをすることが当たり前になりました。がん治療に手厚く口腔の支持療法が施行されています。高齢者施設の口腔ケアは、現在、歯科の介入と介護福祉士の入居者への支援により、1日3回の口腔ケアが当たり前に実施されるようになりました。
介護予防では、市民が自分事として口腔機能向上や口腔ケアのセルフケア能力を上げています。

これまでの研究・教育活動、地域貢献活動などをアップしていきたいと思います。
さらに現在は、ものづくり研究にも取り組んでいますのでご紹介します。


略 歴
1981年3月 北海道大学医学部附属看護学校卒業。
1999年3月 北海学園大学法学部法律学科卒業。
2008年3月 北海道大学大学院歯学研究科高齢者歯科学教室博士課程修了。博士(歯学)取得。

職 歴
1981年4月 北海道大学医学部附属病院看護部、医療法人愛全会愛全病院看護部、北海道大学歯学部附属病院看護部、地域支援医療部兼務、北海道大学病院看護部勤務を経て、
2007年4月 札幌市立大学看護学部専任講師、2012年4月同大学准教授、現在に至る。

資 格
1981年 看護婦免許取得。
1995年 北海道看護協会にて看護管理者ファーストレベル研修終了。
1999年 介護支援専門員実務研修終了。
2008年 日本口腔ケア学会指導者認定。(指導者登録番号第208SB00010号)
2009年 日本摂食嚥下リハビリテーション学会認定士。(認定士番号第150014号)
2010年 日本公衆衛生学会認定専門家。(認定専門家番号第0360号)
2015年 日本口腔ケア学会認定士(認定番号2150400007号)

学会等
日本老年看護学会評議員、日本摂食嚥下リハビリテーション学会評議員、日本口腔ケア学会評議員、日本公衆衛生学会モニタリング委員等

地域貢献活動
日本口腔看護研究会副代表世話人、のみこみ安心ネット札幌世話人、北海道口腔ケア研究会世話人、上川中部地域歯科保健推進協議会・旭川口腔ケア普及会幹事、等

著 書
一歩進んだ口腔ケア 共著 金芳堂 2010年8月
積雪寒冷地における高齢者の居場所つくり 共著 ワールドプラニング社2014年3月
多職種共働チーム先制医療での口腔ケアQ&A.50 共著 一世出版社 2016年3月
がん患者の口腔ケア 共著 医学書院 2017年2月1日